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表紙写真展示室・2025年(令和7年)分
月 | 写真 | 説明文 |
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1月 | ![]() |
元日にこの地でも熱い戦いが (撮影場所:福山市熊野町) ※元日に開催される駅伝競走と言えば群馬県内で開催される全日本実業団対抗駅伝競走大会(愛称:ニューイヤー駅伝)が有名です(注1)が、同じ元日に駅伝大会を行うところも多数あります。沼隈半島の中央部にある福山市熊野町でも元日の昼前に町内を一周する駅伝大会を開催しています。左の写真を撮影した場所は福山市熊野町北部の福山市熊野町と福山市瀬戸町長和の境の近くですが、福山市熊野町を回ってみると「必勝○○チーム」「激走○○チーム」(○○には地域名が入ります)と記された幟が立てられているのが見られました。 こういう行事は過疎化や少子・高齢化などで維持するのが難しくなっており、福山市熊野町の南隣にある福山市沼隈町で毎年1月中旬に開催されていた駅伝大会は今年1月19日に開催する大会をもって終止符を打つことが昨年秋に発表されました。福山市熊野町についても状況は厳しいものがありますが地域のためにも今後も続けていけるように努めて頂きたいものだと思います。 |
2月 | ![]() |
いよいよJ1の舞台へ (撮影場所:岡山市北区いずみ町) ※岡山県を本拠地とするプロサッカーチームのファジアーノ岡山は昨年悲願のJリーグ一部昇格を果たし、中国地方では二つ目のJリーグ一部(J1)所属チームとなりました。そして今月15日に本拠地である岡山県総合グラウンド陸上競技場(愛称:JFE晴れの国スタジアム。岡山市北区いずみ町)で開催される開幕戦の京都サンガF.C.戦でJリーグ一部での初舞台を踏むことになりました。 ファジアーノ岡山に対してはいろいろな声があるところですが、私として注目したいのはやはり長らく中国地方唯一のJリーグ一部所属チームであったサンフレッチェ広島(注2)との対決(注3)です。4月12日に広島サッカースタジアム(愛称:エディオンピースウィング広島。広島市中区基町)で、7月5日に岡山県総合グラウンド陸上競技場でそれぞれ開催されることが既に発表されているのですが、何かと張り合うことの多い岡山県と広島県に本拠地を置くプロスポーツチームの対決はどのようなものになるのでしょうか。また、岡山県が発祥地(注4)で、2023〜2024年度(令和5〜6年度)にリーグ優勝を成し遂げたヴィッセル神戸との対決(注5)も興味をひかれるところです。 初めてのJリーグ一部での戦いは厳しくなることが予想されるところですが、果たしてどうなるのでしょうか。今後も注目していきたいと思っています。 |
3月 | ![]() |
135年の歴史に終止符を打つ渡船 (撮影場所:尾道市向島町) ※尾道市土堂一丁目(発着場はこちら)と尾道市向島町(発着場はこちら)を結ぶ福本渡船(尾道市向島町)は尾道市中心部と尾道市向島地区を結ぶ渡船として長らく運航され、左の写真にも見えるように尾道市出身の映画監督・大林宣彦(1938〜2020)が監督を務めた映画作品の撮影地にもなりましたが、今月末をもって135年の歴史に終止符を打つことになりました。福本渡船は廃業の理由として施設の老朽化を挙げているのですが船舶を動かすのに必要な燃料の高騰が続いていることや利用が減少していること(注6)なども背景にあるようです。 尾道市中心部と向島の間には尾道大橋(全長:386m)と新尾道大橋(全長:549m)が架かっていますが、尾道市中心部と尾道市向島地区中心部を直結していないことや自転車・歩行者が通るのは難しいこと(注7)などから尾道大橋が開通した1968年(昭和43年)以降も多くの渡船が設定されていました。しかし、様々な要因により渡船は次々となくなっていき、今年4月1日からはおのみち渡し船(尾道市土堂二丁目)が運営する駅前渡船(尾道市東御所町〔発着場はこちら〕と尾道市向島町〔発着場はこちら〕を結ぶ。自動車は搭載できない)と、尾道渡船(別名:兼吉渡し。尾道市土堂一丁目〔発着場はこちら〕と尾道市向島町〔発着場はこちら〕を結ぶ。自動車は搭載できる)の二つだけになります。地元住民や通勤・通学客、そして観光客の貴重な足として今後も末永く運航され続けることを望みたいところです。 |
4月 | ![]() |
逆風の中で開局55周年を迎えたテレビ放送局 (撮影場所:松江市向島町) ※鳥取・島根両県を放送区域とする都道府県域民間テレビ放送局・山陰中央テレビジョン放送(TSK、.松江市向島町)は1970年(昭和45年)4月1日、島根県に本社・演奏所を置き、島根県を放送区域とする初めての都道府県域民間テレビ放送局(注8)として島根放送(愛称:テレビしまね)という社名で開局しました(注9)。開局した時からフジテレビ系列に属し、いくつかの自社制作番組(注10)は他地域でも放送されていることで知られています。 ところで、山陰中央テレビジョン放送が属しているフジテレビ系列の総本山・フジテレビジョン(CX、東京都港区台場二丁目)は今年、世間から多くの批判を受けること(事実かどうか門外漢である私には分かりかねるし関係者の私的領域や感情、名誉に関わる事柄を多分に含んでいるのでここでは詳細などは記さないことにします)をやっていたことが明るみになりました。現時点でも収拾はついておらず、問題の内容や初動対応の誤りなどを理由に宣伝を流すことを見合わせる企業が多数出ていることなどからフジテレビジョン及びフジテレビ系列に属する都道府県域民間テレビ放送局各社(注11)の今後が不安視されるようになっています。 都道府県域民間ラジオ放送局や民間衛星テレビ放送局では業務継承がならずに廃業に追い込まれたところが既にいくつか出ていますが、都道府県域民間テレビ放送局が業務継承がならずに廃業に追い込まれることは所有施設(本社・演奏所・中継局)が多数に及ぶことや廃業した都道府県域民間テレビ放送局と放送区域を同じくする他の都道府県域民間テレビ放送局の番組編成に甚大な影響が出ることなどからあり得ないのではないかと私は考えています。しかし、インターネットの急激な普及や若年層を中心としたテレビ離れ、少子・高齢化や大都市への流出が要因となる人口減少などが都道府県域民間テレビ放送局の経営に影響を与えているのは事実であり、そう遠くない将来原則として都道府県ごとにしていた民間テレビ放送局の放送区域が見直される時が来るのでは…とも考えているところです。 私は今回のフジテレビジョンの件については特に何も言うことはありません。しかし、視聴率を0.1%でも多く稼ぐためには、多くの方々に注目されるためには何をしても許されるという驕りというか甘えがあったのではないかという気はします。クロスネット局として開局した広島テレビ放送(HTV、広島市東区二葉の里三丁目)やテレビ山口(TYS、山口市大内千坊六丁目)がフジテレビ系列に留まらなかったこと(注12)や平成時代初頭に郵政省(現:総務省〔東京都千代田区霞が関二丁目〕)からチャンネル割り当てがなされた山口県の三番目の都道府県域民間テレビ放送局(現在の山口朝日放送〔YAB、山口市中央三丁目〕)の所属系列についてフジテレビ系列ではなくテレビ朝日系列になったこと(注13)に見られるように中国地方にある都道府県域民間テレビ放送局にはフジテレビ系列を忌避するかのような態度をとったところがあるのですが、今から30〜50年前の話ではあるもののフジテレビジョンの本性を見抜いていたが故にとった態度だったのでは…と思うのは私だけでしょうか(注14)。 フジテレビジョンの問題が今後どのように展開し、どのような影響を及ぼしていくかは分かりません。しかし、真摯に反省し、体制を改め、再び多くの方々に親しまれるような存在になること、そしてどの系列局も廃業という悲惨な結末を迎えないようにすることを願ってやみません。 |
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(注釈コーナー)
注1:現在では元日に開催されている全日本実業団対抗駅伝競走大会であるが、元日に群馬県で開催されるようになったのは1988年(昭和63年)1月1日に開催された第32回大会からである。それまでは三重県や滋賀県で12月中旬(但し創設当初の1950年代後半には3月上旬や2月下旬に開催されていた。12月中旬に開催時期が固定されたのは1960年〔昭和35年〕12月18日に開催された第5回大会からである)に開催されていた。
また、三重県や滋賀県で開催していた時は要約版がTBSテレビ系列で放送されていたが開催地を群馬県に移してからはTBSテレビ系列に属する都道府県域民間テレビ放送局各社と、開催地の群馬県を放送区域とする都道府県域民間テレビ放送局・群馬テレビ放送(GTV、前橋市上小出町三丁目)で生中継されるようになった。
注2:サンフレッチェ広島は2003年度(平成15年度)と2008年度(平成20年度)の二度Jリーグ二部に属していたことがあるためJリーグ一部・Jリーグ二部(J2)が創設された1999年(平成11年)以降ずっとJリーグ一部に属していたわけではない。
注3:サンフレッチェ広島はこれまで他の中国地方に本拠地を置いているプロサッカーチームと公式戦で対決したことはJリーグ時代(1993〜1998)・Jリーグ一部時代(1999〜2002/2004〜2007/2009〜)・Jリーグ二部時代(2003/2008)を含めて全くない。サンフレッチェ広島と同じリーグに属していた中国地方に本拠地を置いているプロサッカーチームは当時他にはなかったためである(下表参照)。
本拠地 所在県名 |
チーム名 | リーグ所属期間 | 備考 | |||
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Jリーグ | Jリーグ一部 (J1) |
Jリーグ二部 (J2) |
Jリーグ三部 (J3) |
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鳥取県 | ガイナーレ鳥取 | ― | ― | 2011〜2013 | 2014〜 | Jリーグ三部(J3)が創設された2014年度(平成26年度)からずっとJリーグ三部に属している数少ないチームになっている(他には福島ユナイテッドFCとAC長野パルセイロがある)。 |
岡山県 | ファジアーノ岡山 | ― | 2025 | 2009〜2024 | ― | |
広島県 | サンフレッチェ広島 | 1993〜1998 | 1999〜2002 2004〜2007 2009〜 |
2003 2008 |
― | Jリーグ一部・Jリーグ二部で優勝歴あり(Jリーグ一部…2012〜2013年度〔平成24〜25年度〕・2015年度〔平成27年度〕/Jリーグ二部…2008年度〔平成20年度〕)。 |
山口県 | レノファ山口 | ― | ― | 2016〜 | 2015 | Jリーグ三部で優勝歴あり(2015年度〔平成27年度〕)。 |
注4:ヴィッセル神戸の前身は倉敷市に本拠地を置いていた川崎製鉄水島製鉄所サッカー部(1966〜1994)である。
※ちなみにファジアーノ岡山は川崎製鉄水島製鉄所サッカー部のOB有志によって設立されたリバーフリーキッカーズ(1975〜2003)を中核として発足したチームである。
注5:ヴィッセル神戸対ファジアーノ岡山戦は5月28日に御崎公園球技場(愛称:ノエビアスタジアム神戸。神戸市兵庫区御崎町一丁目)で、7月20日に岡山県総合グラウンド陸上競技場でそれぞれ開催されることが発表されている。
※ファジアーノ岡山はヴィッセル神戸とはJリーグ二部の公式戦で対決したことはある。ヴィッセル神戸が2013年度(平成25年度)だけJリーグ二部に属していたため実現したのだが12年ぶりに公式戦で対決することになる。
注6:理由としては人口が減少していることや福本渡船の近くを通る駅前渡船の尾道側発着場(尾道市東御所町。場所はこちら)のすぐそばにはJR山陽本線尾道駅(尾道市東御所町)が、向島側発着場(尾道市向島町。場所はこちら)のすぐそばには尾道中学校・高等学校(尾道市向島町)がそれぞれあり、利便性が高いこと、それに比して福本渡船の尾道側の発着場は尾道駅から少し離れたところにあること、福本渡船の向島側の発着場は(私が福本渡船の写真を撮りに行った時道に迷ったので実感したことであるが)少々分かりにくいこと(更に周辺道路は狭いために一方通行になっている)が考えられる。
注7:尾道大橋は歩道こそ両側に設置されているが狭いことやかなり高いところ(海面からの路面高は34m)を通っており、そこまでの上り下りがあることから通行は推奨されていない。また、新尾道大橋は本州・四国連絡橋尾道・今治ルート(E76西瀬戸自動車道〔愛称:瀬戸内しまなみ海道〕)の一部として建設されたため自動車専用道路となっており、自転車や歩行者は通ることはできない。
注8:それまで島根県を放送区域とする都道府県域民間テレビ放送局は存在しなかったわけではない。山陰放送(BSS、米子市西福原一丁目)が1959年(昭和34年)12月15日に島根県を放送区域としてテレビ放送を開始させたのだが、本社・演奏所は島根県ではなく鳥取県にあるという変則状態になっていた。もっとも、山陰放送のアナログテレビ放送の本局(松江市枕木町。10ch。1959〜2011)は松江市中心部の北方に聳える枕木山(標高:453m)に設置されていたことから鳥取県西部(境港市・米子市・西伯郡)で山陰放送のテレビ番組を視聴していた方は少なくなかったものと思われる。
なお、島根放送改め山陰中央テレビジョン放送が鳥取県を放送区域に含めたのは1972年(昭和47年)のことである。島根放送から山陰中央テレビジョン放送に改称したのはそれを見据えてのことであった。
注9:島根放送が山陰中央テレビジョン放送に改称したのは開局2年後の1972年(昭和47年)4月1日のことである。注8で触れた通り鳥取県への放送区域拡大を見据えての改称だったのだが、開局当時の愛称に由来する略称は変更せず、現在に至っている。
注10:定期番組としては深夜帯のヴァラエティ番組「かまいたちの掟」(山陰中央テレビジョン放送での放送日時は木曜日午前0時15分〜午前0時45分)が知られている。
注11:中国地方にあるフジテレビ系列に属している都道府県域民間テレビ放送局は他に岡山放送(OHK、岡山市北区下石井二丁目)とテレビ新広島(TSS、広島市南区出汐二丁目)がある。なお、テレビ新広島は今年10月1日に開局50周年を迎える予定になっており、山陰中央テレビジョン放送と同じく逆風の中で開局50周年を迎える可能性が高くなっている。
注12:広島テレビ放送は1975年(昭和50年)に、テレビ山口は1990年(平成2年)にそれぞれフジテレビ系列を脱退し、広島テレビ放送は日本テレビ系列だけに、テレビ山口はTBSテレビ系列だけにそれぞれ属する都道府県域民間テレビ放送に転換した。なお、フジテレビ系列脱退後もテレビ山口ではフジテレビ系列各社と同時に放送される番組がいくつかあったが2000年(平成12年)に現在も放送されている音楽番組「ミュージックフェア」(中国地方では現在も岡山放送・テレビ新広島で放送中。山陰中央テレビジョン放送でもネットされていた時期があったが1981年〔昭和56年〕秋の番組改編をもって打ち切られている)のネットを打ち切ったのを最後に消滅している。
注13:山口朝日放送が開局した頃下関市に住んでいた、私の友人で「下関市立大学学園祭情報局〜中国地方最古参の市立四年制大学の学園祭のきのう・きょう・あす〜」(今春URLを変更せずに「温故知新〜中国地方最古参の市立四年制大学の学園祭の歴史を辿る〜」に改題する予定)というサイトを運営している中島孝祐さんは山口県の三番目の都道府県域民間テレビ放送局の所属系列がテレビ朝日系列になることは既定路線というか(語弊がある表現ではあるが)出来レースだったのではないかと話している。中島さんがそのように考えた理由を挙げると次の通りになる。
・山口県では産業経済新聞(通称:産経新聞またはサンケイ新聞。産業経済新聞社〔東京都千代田区大手町一丁目〕発行)がほとんど出回っていないこと。つまり山口県では産業経済新聞社やフジテレビジョンが属するフジサンケイグループの力が他の中国地方各県に比べて弱かったということになる。
・山口朝日放送が開局するまでの山口県を放送区域とする都道府県域民間テレビ放送局は山口放送(KRY、周南市徳山)とテレビ山口の2社しかなかったのだが、特に山口放送について番組編成に弊害が現れていたこと。山口放送は日本テレビ・テレビ朝日両系列に属するクロスネット局だったのだがそれ故に高い視聴率を誇っていた番組をネットできなかったり他の系列局が放送する時間帯とは別の時間帯に放送せざるを得なくなったりしており、日本テレビ系列一本化は悲願となっていた可能性がある。
・反対にテレビ山口はフジテレビ系列の番組を多く放送していたがちょうどその頃から属し続けることになったTBSテレビ系列の視聴率低迷が顕著になっており、フジテレビ系列の番組を手放すことに難色を示すようになったこと。つまり、テレビ山口にとってフジテレビ系列の番組を放送することは経営上必要なものになっていたと言え、完全に関係を絶たなかったことが幸いしたことになる。
・1990年(平成2年)12月8日付朝日新聞西部本社版朝刊の地方面(山口県版)に山口県の三番目の都道府県域民間テレビ放送局の本社・演奏所を山口市に設置することが決まったという記事が載ったこと。このことは朝日新聞以外は報道しておらず、山口県の三番目の都道府県域民間テレビ放送局はテレビ朝日系列に属することになったことを公言しているようにも受け取れる。
・山口県を放送区域とする都道府県域民間放送局の経営陣の中には青少年にとって好ましくないものは受け入れないというようなお堅い考えを持つ方が少なくなかったこと。そのことは山口放送が俗悪だと批判されたテレビ番組のネットを打ち切ったりネットを拒んだりしたことやラジオの終夜放送になかなか踏み切らなかったこと(E2山陽自動車道が本社の近くまで延びてきた1990年〔平成2年〕春になってようやく開始)、山口朝日放送が深夜帯の情報番組「トゥナイト」(1980〜1994年〔昭和55年〜平成6年〕放送)→「トゥナイト2」(1994〜2002年〔平成6〜14年〕放送)のネットを見送り続けたこと(1999年〔平成11年〕春からネット開始)などに見られるが、そういう現実があったことを考えるとどうかと思うものが多かったフジテレビ系列の番組を多く流すテレビ放送局は要らないという意見が多勢を占めたのは想像に難くない。
今挙げたことからテレビ朝日系列以外に選択肢はなかったことがうかがえるのではないかと思うのだが山口朝日放送の開局に関わった方々は今回のフジテレビジョンの問題をどのように見ているのだろうか。その点が気になる。
注14:フジテレビジョンの躍進というか黄金時代は1980年代初頭に始まったわけであるが、私はその遠因にテレビ新広島開局に伴う広島テレビ放送のフジテレビ系列脱退があったのではないかと考えているところである。そのことはかつてこちらで触れたことがあるのだが、フジテレビ系列に属する都道府県域民間テレビ放送局はその多くが1970年(昭和45年)前後に開局したところであることや七大都市(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)を擁する都道府県のうち札幌市を擁する北海道と広島市を擁する広島県で開局からの歴史が浅い系列局があったこと(北海道にあるフジテレビ系列に属する都道府県域民間テレビ放送局・北海道文化放送〔UHB、札幌市中央区北一条西十四丁目〕は1972年〔昭和47年〕4月1日〔その日は札幌市が川崎市・福岡市とともに政令指定都市に移行した日でもある〕に開局している)を考えると開局からある程度の年数が経っている系列局が多いTBSテレビ・日本テレビ両系列に追い付きたい、追い越したい、そして対等に渡り合いたいという思惑が生じるのは無理からぬところではなかったのだろうか。